フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

福島県会津若松市「高瀬の大木」

高瀬の大木

 

高瀬の大木への最寄り駅は、会津若松駅です。ただ歩くと1時間ほどの距離にあるため、レンタル自転車を借りました。駅でも借りられますが、事前に地域の観光センターに電話すると「もっと安く、1日500円で借りられる」と。アドバイスに従い、駅から歩いて5分ほどの「会津町方伝承館」をまずは目指します。

 

伝承館の人に「高瀬の大木に行きたい」と話すと、マップをくださり、さらに樹までのアクセス路をマーカーで分かりやすく書き込んでくれました。同ルートを頼りに樹を目指します。

 

会津町伝承館

会津町方伝承館

会津町方伝承館

 

伝承館の前の町方蔵しっく通り(大町通り)を南に数分走り、ホテル大阪屋の交差点を右折。あとは道なりにひたらすペダルをこぎます。途中、お洒落な建物が多く立ち目を引きました。観光客の姿も多くあり、賑わっています。対の柳が印象的な涙橋(柳橋)を通過し、中沢の交差点を左折し道なりに左に折れると、右手に広がる黄金色の田園の先に、目指す巨樹の姿が目に飛び込んできます。

 

涙橋の柳

高瀬の大木

高瀬の大木

高瀬の大木

 

樹は今から400年以上前の1600年、このあたりを治めていた会津藩主、上杉景勝という人物が建てた神指城(こうざしじょう)跡地に立っています。ただ正確には築城時点で既に高瀬の大木はあり、かなりの大きさだったよう。樹をシンボルに、城を建てたことが想像できます。ところが城は徳川家康の反感を買い、築城途中で工事がストップします。そして会津征伐、関ヶ原の戦いに続くきっかけに。これ以上は話がそれますので、歴史に興味がある方は調べてみてください。

 

高瀬の大木

高瀬の大木

高瀬の大木

高瀬の大木

高瀬の大木

 

辺り一面に田園が広がること、やや土が盛り上がった位置に立つことから、周囲からはかなり目立ちます。同時に、日当たり抜群の立地です。あたりには用水路もあり、水も豊か。根元の太さが12.55メートルもある巨樹に育つわけです。幹の太さは目の高さでも10.45メートル、樹高は24.64メートル、樹齢は500年と推定され、国の天然記念物指定を受けています。

 

高齢からでしょうか。支柱や大枝の折れがあちらこちらに見られ、周囲にはサークルが設けられ、保護されていました。ただ樹をぐるりと見回せるよう、木製のルートが整備されています。

 

高瀬の大木

高瀬の大木

 

来た側の田園とは反対側にまわると、ずっしりと太い1本の幹から、3本の太い幹がちょうど3方向にバランスよく、まるで恐竜の手のように伸びていることが分かります。以前おとずれた金袋山のミズナラも、同じような枝の伸び方であったこと思い出します。

 

https://tadao-factory.hatenadiary.org/entry/2020/05/01/150232

高瀬の大木

 

遠目なので正確には分かりませんが、太い根元の幹内は空洞になっているようです。しかし、夏の日差しを存分に浴びているケヤキはの樹勢は良好。鮮やかな緑色の葉っぱをたくさん付けています。

 

高瀬の大木

 

巨樹を眺めながら休憩できる東屋もあります。これから稲の収穫時期だったため、辺り一帯には稲の心地良い香りが広がり、水路を流れる水の音は耳に癒やしを与えてくれます。東屋で隣り合わせた地元の方から頂いたナシを食べていると、改めて日本の田園風景の心地良さを満喫している自分がいました。