宮古の逆さ公孫樹
目指すイチョウは、JR宮古駅の改札とは反対側にあるため、陸橋で線路を越えて歩いていきます。約10分、宮古第一中学校に着くと、イチョウの看板が確認できます。
鳥居があるので、「神社に立つイチョウなのか」そんな気分で参道を歩いていくと、鳥居は学校のそばにある神社のそれであり、イチョウとは関係がないようでした。
本来であれば鳥居と学校は通過し、学校のグラウンドに沿ってそのまま歩いていくと、イチョウはあります。グラウンドの前には川が流れています。
当所、場所が分からなかったため、学校でイチョウの場所を聞きました。すると親切丁寧にイチョウの場所を教えてくださり、また、校内を通ってもいいとのこと。おかげで、このような素晴らしいシチュエーションを見ることができました。ただ本来は、学校の中は通らない方がいいでしょうね。。
イチョウが立つ場所は公園となっていて、樹の管理は市・学校どちらかは曖昧とのことでした。
都内の巨樹は多くがイチョウで、実際、これまで数多くのイチョウの巨樹を見てきました。しかし今回のイチョウのようなシチュエーションは初めて。思わず「おおっ!」と感動の声がもれました。同時に、近所の人たちのシンボルツリーとして親しまれてきたんだろう。そのような気分に値する雰囲気も持っています。しめ縄も、地域の人たちに気持ちの表れだと感じました。地元の菓子店では、このイチョウにちなんだ「さかさ銀杏」というお菓子を販売しています。
樹高約15m、幹周り約15.3m、推定樹齢は300年以上。市の天然記念物指定ですが、柵などはなく樹に直接触れることができます。足元を見ると、よくある学校のふつうの砂。改めて、どんな環境でも育つイチョウの屈強さを感じました。
2つの大きな幹が1つの樹を形づくっていて、その幹の間は通り抜けることができます。また、多くのイチョウの巨樹と同じく、数本の細い幹が集まってそれぞれの幹を成していました。おそくら、落雷やなにかの影響で何度も折れるなどを繰り返し、今の姿となったのでしょう。老木の特徴である乳、焼け跡もありました。
見上げれば、ものすごい数の枝です。葉が落ちている状態でこれだけの迫力ですから、夏場になったらどんなシルエットが見られるのか。もう一度見たいと思える樹でした。