フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

熱田神宮に立つ7本のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

 

2013年、1900年目の歩みを迎えた「熱田神宮(あつたじんぐう)」。名古屋の中心地から駅2つの立地にありながら、東京ドーム約4倍、19ヘクタールの敷地を誇ります。まさしく「杜」と呼ぶにふさわしい樹々が数多く立ち、都会のオアシスを形成。熱田神社とも呼ばれています。

 

敷地内には三種の神器の1つ「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」を祀る本宮の他、全部で45もの社があるのも特徴。結婚式場、宝物館、図書館、神職養成学校なども併設しています。

 

熱田神宮

 

名鉄本線「神宮前駅」の改札を出ると、すぐに「熱田神宮」の案内板に気づきます。案内板に従い歩いていくと、杜の緑が広がっている光景が飛び込んできます。

 

熱田神宮

熱田神宮

 

結婚式場内のクスノキが最大級

 

 出入り口はいくつかありますが、神宮前駅から入ると、まずは結婚式場の会館に着きます。実はこの会館の中に、神宮内で一番大きなクスノキがあります。

 

式関係者のみが入れる場所から、そのクスノキは見ることができます。私が訪れた日は式がなかったこともあり、入り口のスタッフに声を掛けると、幸運にも樹の場所まで案内してくれました。

 

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

 

式場ロビーと外を隔てる、ガラス一面の外壁からクスノキを見ることができました。樹高33メートル、幹周り8.7メートルとありますが、斜面を掴むしっかりとした根元は、もっと大きく見えました。窮屈そうな場所に立っている印象を持ちましたが、空の方を見ると、鮮やかな緑色の苔に覆われた幹が元気に伸び、樹勢は良好であることがわかります。

 

境内には全部で7本のクスノキがあるそうですが、私が見つけられたのは6本。うち1本は枯れ死していました。境内の全体像がわかるとよりイメージしやすいかと思いますので、下記地図を参考に、残りの記事を読んでもらえれば、と思います。ちなみに上の結婚式場は正確には19番「熱田神宮会館」になります。

 

http://www.atsutajingu.or.jp/jingu/about/keidai/

 

厳粛な杜に佇む対のクスノキ

 

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

 

8番神楽殿の脇から続く小路を進むと、対のクスノキが見えてきます。このあたりは「こころの小路」と呼ばれる、境内でもより神聖な地域。樹々が鬱蒼と茂り、あたりは昼間なのに薄暗く、厳粛という雰囲気が漂っています。大きさは2番目になります。

 

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

 

右側に見えるのが既に枯れ死してしまったクスノキ。一方、残ったクスノキクスノキらしく枝葉を存分に空に向かって伸ばし、元気そうでした。

 

熱田神宮

熱田神宮

 

樹とは関係ありませんが、この場所には「清水社」という目の神様、水をつかさどる神様が祀られています。実際、社の奥には水が湧いている場所があり、その湧き出た水で眼を洗うと眼がよくなり、肌を洗えば肌がきれいになる。さらに奥に突き出た岩にひしゃくで3回水をかけると、願いごとがかなう。そんな言い伝えがあるそうです。

 

織田信長が奉納した土塀そばに2

 

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

 

桶狭間の戦いで勝利した織田信長が、必勝を祈願した同神社に、お礼として奉納した土塀のそばに、2本クスノキが立っています。ちなみにこの土塀、土と石灰を油で練り固め瓦を厚く積み重ねたもので、「兵庫西宮神社の大練塀」「京都三十三間堂の太閤塀」とともに、日本三大土塀と呼ばれています。

 

熱田神宮の土壁

熱田神宮の土壁

熱田神宮の土壁

 

残念ながら西側塀の端部分に立つクスノキは近くまで行くことができず、遠くからの撮影となりました。

 

熱田神宮のクスノキ

熱田神宮のクスノキ

 

弘法大師が手植え

 

熱田神宮のクスノキ

 

3番目に大きなクスノキが、もっとも有名だと言えるでしょう。理由は、参道そばの目立つ場所に立っているからです。樹高21メートル、幹周り7.7メートル、推定樹齢は1000年とも言われ、「熱田神宮の大楠」と呼ばれ親しまれています。弘法大師が手植えしたとも伝えられていて、根元にはヘビが住んでいて、お供えしてある卵を食べる際に、その姿が見られるそうです。

 

熱田神宮のクスノキ

 

熱田神宮のクスノキ

 

砂利が敷かれた広く長い参道。社殿の合間に生い茂る樹々。圧倒的な社殿の存在感など。東京・明治神宮と似ているな、という印象を持ちました。ただ数字からもわかるように、明治神宮ほどは広くありません(明治神宮の広さは70ヘクタール)し、参拝者もそれほど多くありません。都会の喧騒から離れ、少し落ち着きたいとき、あるいは散歩したいときなど。名古屋市民は訪れているのだろうな、そんなことを考えました。

 

※もう1本のクスノキは見つけることができませんでした。