フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

山梨県・靏嶋神明社に立つ対の大イチョウ

靏嶋神明社の創建に関しては不明ですが、宝永4年(1707年)再建の棟札(むなふだ)が残ることから、それ以前に建てられたことが分かります。御祭神(ごさいじん)は天照大神(あまてらすおおみかみ)です。

 

神明社」と名が付く神社は、皇室の祖神であり、太陽を神格化した女神・天照大神を祀っており、総本社は伊勢神宮(いせじんぐう)の内宮(ないくう)です。全国に点在する神明社の数は、5000~1万8000社ほどあると言われています。

 

靏嶋神社は山梨県道35号線(四日市場上野原線)沿いにあり、JR中央線上野原駅」から徒歩15分ほどの位置にあります。私が訪れた7月下旬は、梅雨明け後の猛暑が続いた最中。境内は駅から見て小高い位置にあるため、汗を大量にかき、へとへとになりながら曲がりくねった県道を懸命に登りました。

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

境内の大きさは30平米ほど。それほど大きい神社という印象は持ちません。ただ県道のすぐ側に立つ2本の大イチョウを筆頭に、巨樹が幾本も境内に立ち、それら巨樹の葉が太陽を遮るため、辺りの暑さとはうらはらに、すがすがしい空気が境内には流れています。うぐいすの心地よい鳴き声も聞かれ、セミの姿も見られる。気づけば、汗はすっかりひいていました。

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

イチョウの樹は、樹高はどちらも約30メートルで、樹齢は300年ほどですが、県道から社殿に向かって右の方が太く、目通りの幹囲は右が約5メートル、左が約4メートル。どちらの樹の樹勢も良好で、真夏の太陽を浴び、さらに成長している印象を持ちました。

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

県道から鳥居・社殿へと続く石段を上っていくと、2本の樹の真下をくぐり抜けます。見上げてみると、既に銀杏の実が。イチョウは雌雄の区別がある雌雄異株です。靏嶋神明社の2本の大イチョウは、どちらも銀杏がなっていることから、女性同士であることが分かりました。

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

今度は逆に、境内からイチョウを眺めてみました。すると、イチョウの先にさきほど駅から歩いてきた相模川(通称:桂川)周辺の景色が一望でき、さらに上野原市内やその先の山々が一望できる景色がありました。

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

霧嶋神明社のイチョウ

 

県道は頻繁に大型トラックや市民の車が往来している、市のライフライン。靏嶋神明社ならびに2本の大イチョウは、目の前を走る車の安全、そして眼下に広がる上野原市民の生活を見守っているように思えました。