フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

青梅市の神社に立つシイノキ

青梅市は東京都の西側に位置する市で、奥多摩町、八王子市、檜原村(ひのはらむら)に次いで、都内で4番目に大きな自治体です。オリンピックレベルのトップアスリートが参加する、「青梅マラソン」の開催地として、その名が広く知れています。また、私の生まれ故郷でもあります。

 

週末になると、都内から大勢のキャンパーや登山家が、山と川に恵まれた緑豊かな自然環境を求めて訪れます。人に優しい環境は、当然樹々にも優しいのでしょう。関東から西の地方に自生するシイノキが、青梅市では特に伸び伸びと育っています。

 

樹が立っている場所は、千ヶ瀬神社と師岡神社です。両神社の距離は約2キロメートル。歩いても行き来することができる距離で、神主さんは同じ人物です。現在、神社の数は全国には約8万社あるといわれていますが、神主さんの数は2万1000人ほど。2社だけでなく、数社の神社を兼務されている方も珍しくはありません。また、他の仕事にも携わっている兼業神主さんもいます。

 

シイノキの実は「どんぐり」です。戦時中には食料として重宝されました。また伐採された樹はシイタケ栽培の原木として利用されたり、建築材やその他加工材として広く利用されます。さらに樹そのものも防火・防風林として役立っています。これだけ多様な用途があるシイノキですから、神社の神木として祀られてきたのでしょう。

 

どちらの神社にも共通しているのが、2本ずつ大きな樹が立っていることです。市の認定を受けているのはそれぞれ1本ずつですが、なぜ両神社に同じ数の巨樹が立っているのか、調べたのですが、分かりませんでした。

 

青梅市の神社に立つシイノキ

 

まずは師岡神社のシイノキを紹介します。諸岡神社は、光明寺というお寺の脇にあるこぢんまりとした神社です。脇には道路があり、階段を上ったところに位置しているので、樹が立っている場所はまるで崖の上のような印象を持ちます。

 

青梅市の神社に立つシイノキ

 

そしてその崖から切り出すように、大きな2本のシイノキが天に向かって枝葉を伸ばしています。その姿は圧巻。遠くからでもかなり目立ちます。そして近づけば、幹が太く立派な姿が、見る者を圧倒します。

 

青梅市の神社に立つシイノキ

 

一方、千ヶ瀬神社のシイノキは崖ではありませんが、斜面の林中に立っています。そのため、全体像をカメラに収めるのは困難。斜面に立って樹を見上げると、山の斜面から勢いよく天に向かって伸びる枝葉の生命力が伝わってきます。この樹が、市内最大であり、樹齢が最も古いシイノキです。

 

もう1本のシイノキは、伸びる角度が極端に斜めなため、自らの重さに耐えられなくなったのでしょう。支柱に頼っている姿が、なんだか「シニアな樹」という印象を持ちました。

 

青梅市の神社に立つシイノキ

 

シニアではありますが、幹周りのコブは堂々たる風格。一般的にコブは、樹が自らを守る防護本能、生命力の表れだといわれていますから、これからも元気な姿を見せ続けてくれることでしょう。