フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

水元公園のポプラ並木とメタセコイアの森

東京都の北東端に位置する葛飾区は、江戸川、綾瀬川、荒川、中川といった幾つもの川が流れ、川を境に、埼玉県、千葉県と隣接しています。

水害が多く発生してきた歴史を持ち、江戸時代より治水事業が盛んでした。水元公園のもとである小合溜(こあいだめ)という池も治水事業ひとつとして中川の支流、大場川から水を引き、整備された溜め池です。

治水事業が落ち着いた後は灌漑としての機能を持つようになり、地域の農業発展に貢献します。その後、1965年に水元公園として整備。現在は約92haの広さですが増築中であり、夏には100haになるそうです。先日紹介した昭和記念公園の約半分の広さですが、水郷公園としては東京23区内で最大の規模を誇ります。

水元公園

園内には小合溜から分かれる大小幾つもの水路が走り、その様子はまるで異国さながら。公園は川に沿って造られているため、L字型というユニークなカタチとなっています。専用の釣堀が整備され、釣りを楽しむ方が大勢いるのも同公園ならではです。

水元公園

公園への道のりは、JR・京成線「金町駅」からバスに乗り「水元公園」で下車。駅から歩くと30分ほどかかります。

水辺を好むハンノキを筆頭とし、ハナショウブスイレンコウホネといった水生植物が多くあり、野鳥の観察スポットとしても有名です。

私が特に興味を持ったのは、約1kmも続くポプラ並木。そして、生きている化石と呼ばれるメタセコイアが群集する森です。

水元公園

植えられた当時は300本あったというポプラの樹は、現在では約200本となっています。台風など自然災害によるものだそうですが、横の樹が倒れると隣接する樹が枝葉を広げ、その空きをカバーするとのことで、特に新しく樹を植えることはしていない、とのことでした。並木道は主に小合溜に沿った歩道脇に等間隔で立っていて、場所によって趣を変えているのが見る者を楽しませてくれます。

水元公園
水元公園

中でも、ポプラ並木の影が水面に投影されている景観は壮観。この景観は公園北西部にある閘門橋(こうもんばし)そばの入り口近くから見ることができます。

水元公園

メタセコイアの森は園内に数カ所あり、森の中に入るとマイナスイオンを感じ、心の安らぎを覚えます。ふと見上げれば、生い茂った樹々の枝葉の隙間から清々しい太陽光が降り注いでいます。一方、地面に目をやれば、ヘビイチゴや伐採した幹で作られた天然のベンチが。メタセコイアの総数はおよそ1800本、都立公園としては最大の規模です。

水元公園
水元公園
水元公園
水元公園

ポプラ並木と聞くと、北海道大学が有名です。実際に公園を訪れると、北海道や異国の地でしか味わうことのできない独特の空気感が漂っていることが体感できます。時間もスローに流れているように感じました。“のどか”という言葉がぴったりの公園です。