フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

芝公園周辺の巨樹

f:id:TADAO-FACTORY:20200501161055j:plain

芝公園は、飛鳥山公園、上野公園、浅草公園、深川公園とともに日本初の公園指定を受け、明治6年1873年)に開園しました。

以前は同じ地域にある増上寺境内も公園でしたが、戦後の政教分離により区分けされます。現在では、増上寺芝東照宮、ホテルが中心に位置し、公園エリアがまわりを囲むようなドーナツ型となっていて、道路で区切られているのも特徴です。となりには、東京タワーが立っています。

芝公園


都営地下鉄大江戸・三田線の路線に重なるように位置し、アクセスは抜群です。御成門芝公園、赤羽橋、各駅の地上出口前から公園は広がっています。

以前紹介した、大雄寺、本郷弓町のクスノキに次ぐ都内で3番目の大きさを誇るクスノキは、公園南西の端、赤羽橋交差点と「ザ・プリンスパークタワー東京」のあいだ、公園区画内・17号地に立っています。

芝公園のクスノキ
芝公園のクスノキ
芝公園のクスノキ
芝公園のクスノキ

公園内にはクスノキが目立ちますが、幹周り約5.2m、樹高約13m、推定樹齢300年というサイズは、他のクスノキとは一線を画す迫力です。これだけの巨樹ですが案内板はなく、違和感を覚えました。しかし公園の方に話を聞くと、年に4回、園内の樹木の健康状態をチェックしているとのこと。その甲斐あってか樹勢は良好で、秋らしく艶々した黒い実をたくさんつけていました。

増上寺境内には「グラント将軍松」と「カヤ」の巨樹があります。

グラント将軍松
グラント将軍松
グラント将軍松

御成門駅から日比谷通りを南下し、朱色が特徴的な三門をくぐると、右手に見えるのが米国18代大統領グラント将軍が明治12年(1879年)に植えた松です。幹周り、樹高などサイズは不明。松と呼ばれていますが、正確にはマツ科のヒマラヤスギです。

樹が立つ場所は本堂(大殿)に続く大きな参道脇のため、日当たり抜群で、樹勢は良好。雄花がたくさん咲き、観光客の姿も目立ちました。

カヤは、三門からさらに南側にある黒門をくぐり、慈雲閣という建物の裏にひっそりと佇んでいます。グラント将軍松が立つ場所と違い、人の姿はまったくなく、対照的でした。

芝公園のカヤ
芝公園のカヤ

幹周り約4m、樹高約25m、推定樹齢600年で、港区の天然記念物指定を受けています。樹皮の一部が枯れていますが、枝葉をたくさんつけ樹勢は良好。今回紹介した他の樹が植樹なのに対し、このカヤだけでは自生木といわれています。

黒門をさらに南下すると、港区が管理する港区芝公園の大広場があり、その脇にある芝東照宮イチョウの巨樹が立っています。広場からも分かるその大きさは、幹周り約6.5m、樹高約21.5m、根回りは約8.3mもあります。

芝公園のイチョウ
芝公園のイチョウ
芝公園のイチョウ
芝公園のイチョウ
芝公園のイチョウ

このイチョウ寛永18年(1641年)、徳川3代将軍家光が植えたと伝えられていますから、樹齢は370年以上。戦前は国の天然記念物指定を受けていましたが、現在は東京都に変わっています(変更理由は分かりませんでした)。

巨樹以外にも園内には滝が流れる渓谷「もみじ谷」の他、古墳、跡地、記念碑などが数多くあり、散策にはもってこいのスポットです。