フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

多摩川・阿蘇神社のシイ

JR青梅線小作駅」または「羽村駅」より徒歩約20分の距離にある阿蘇神社は、推古天皇9年(601年)に創建された市内最古の神社で、特に武士から愛されてきました。

 

平将門が933年に、940年には藤原秀郷がそれぞれ社殿を造営。その際に、藤原秀郷がシイを手植えしたとされています。

 

その後も小田原北条氏や徳川家代々将軍が馬場や土地を寄進するなど、社殿はその後30回ほど造営・修造され、現在の社殿は東京都指定有形文化財となっています。

 

阿蘇神社

 

シイは社殿に向かって左側、多摩川沿いに設けられた高さ10数mの石壁と社殿の間にあります。樹高約18m、幹周り約6.2m。東京都指定天然記念物で、先のエピソードが正しければ、樹齢は1000年以上になります。

 

阿蘇神社のシイ

阿蘇神社のシイ

 

神社にある巨樹の多くは、社殿などを痛めないようにと、枝が伐採されているのが一般的です。しかしこの樹は、台風の影響で大枝が折れていたり、支柱の助けを借りたりはしていますが、樹勢は良好。というよりも、自由奔放に育っている印象で、社殿側だけでなく川側、河原に届きそうなほど勢い良く枝葉を伸ばしています。

 

阿蘇神社のシイ

阿蘇神社のシイ

阿蘇神社のシイ

 

枝の先端が根よりも下に垂れ下がっている様子を、盆栽では懸崖(けんがい)と呼ぶそうで、断崖絶壁で育つ樹々の生命力や自然の厳しさを表現するとのこと。まさにその表現どおりの樹だと思いました。

 

阿蘇神社のシイ

阿蘇神社のシイ

阿蘇神社のシイ


ただあまりの大きさから、この場所では窮屈なのではとの印象を持ちます。実際、根回りの土がかなり盛り上がっているのは、その影響でしょう。老木のため現在は、東京都、羽村市、神社で協力して樹のケアにあたっているとのこと。根回りには、乾燥時に水を撒くためのパイプがありました。