フリーライター『日日maika’i』

フリーライター杉山 忠義が書くブログです。

大楢峠のコナラ

以前紹介した「金袋山のミズナラ」と違い、今回取り上げるコナラは山中に立ってはいますが、4つの登山道が交わり尾根が平らに開けた場所にあるため、多くの人目に触れてきました。

 

多楢峠のコナラ

 

アクセス方法方も4通りあります。1つ目は、奥多摩町中心部の氷川から三ツ釜の滝、ネジレノ滝、大滝がある梅沢園地経由。このルートはしっかりとした道路が整備されていて、4WD車であれば樹のそばまで訪れることができます。実際、私が訪れた時も車がありました。

 

多楢峠のコナラ

多楢峠のコナラ

 

2つ目は、同じく奥多摩町の中心部からのルートですが、登山道です。3つ目は、御岳山からのルート。私が選んだルートは、JR青梅線鳩ノ巣(はとのす)駅」で下車し、コナラを経由し先に書いた梅沢園地、海沢探勝路を経て、大岳山へ向かう登山ルートです。駅からしばらくのあいだは舗装された道が続きますが、急に登山道に変わります。

 

 

その後は写真のような登山道を登ること約1時間半。それまでの狭く急な道が突然開け、平らな場所に出ます。私は写真奥の麓から登ってきましたので、コナラは右側に、ベンチが左側に見えました。

 

多楢峠のコナラ

多楢峠のコナラ

多楢峠のコナラ

 

根元から2本、別の樹が立っていたり、根がかなり盛り上がっていたりと、特徴の多い樹だと感じました。モミの樹とは、根元で一体化しているかのようです。しかし同種の樹であれば癒着することがあるそうですが、異種ではないそうです。

 

樹のまわりには金袋山のミズナラと同じく、環境省の任意団体「全国巨樹・巨木林の会」のメンバーが設置した、樹の根を保護するためのサークルがあります。しかしミズナラのそれと違い、それほど大きくない石や枝でつくられているため、最初は気づきませんでした。訪れる方は、くれぐれも根元に入らないよう注意してください。なお私は、そばに落ちていた枝をサークルに加えておきました。

 

多楢峠のコナラ

 

樹が傾いている西側の根元は弱っているように感じました。主幹も根元部分が空洞になっていて、向こう側が見えるほどです。

 

多楢峠のコナラ

 

専門家の診断によれば、根の3分2が機能していないんだとか。しかし推定樹齢500年、幹周り約4.5m、樹高約27mの堂々たる姿は、風格が漂い、登山者の道標としての長い歩みを感じます。

 

多楢峠のコナラ

多楢峠のコナラ

 

見上げれば、元気そうな緑色の葉をたくさんつけ、足元にはドングリがたくさん。コナラの巨樹は全国的に見ても数が少ないため、まだまだ長生きしてもらいたい。そしてこれからも多くの登山者の安全を、この地で見守り続けてほしいものです。